パスタ価格高騰で伊政府に危機感、生産者らと対応協議

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伊トリノの市場に出た屋台に並ぶ生パスタ/Marta Carenzi/Mondadori Portfolio/Getty Images

伊トリノの市場に出た屋台に並ぶ生パスタ/Marta Carenzi/Mondadori Portfolio/Getty Images

ローマ/ロンドン(CNN) イタリア政府は11日、危機的状況に対応するための会合を開き、パスタの価格高騰の理由を探る調査に乗り出した。パスタは同国で最も愛される食材の一つで、文化的にも重要な位置を占めている。

ウルソ企業相が議長を務める当該の委員会には国会議員やパスタ生産者、ローマの消費者の権利団体が参加。パスタの価格を押し下げる方途について話し合った。パスタ価格は3月、前年同月比で17.5%の急騰を記録していた。

欧州連合(EU)の統計によると、イタリアの消費者価格全般の上昇率は8.1%で、パスタの値上がりペースはこの2倍以上。主原料である小麦の価格が過去数カ月下落する中での高騰となっている。

ウルソ氏の報道官は10日に声明を発表し、多くの生産者がパスタ価格の上昇について、一時的なものでしかないことを既に保証したと明らかにした。生産者らによれば価格高騰の原因は、在庫として現在処分されているパスタの製造コストにある。これらのパスタは原材料価格が高かった時期に製造されていたという。

「数週間以内に価格は低下するだろう。現状で製造コストが大幅に減少しているためだ」と、報道官は付け加えた。

パスタの価格は、国家規模の重大な意味を持つ問題だ。イタリア国民は平均で年間約23キロのパスタを消費する。消費者の権利団体のトップを務めるフリオ・トルッツィ氏が先月、声明で明らかにした。毎日60グラム以上を消費する計算になる。

同氏によると昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、パスタの原材料の一部は著しい価格高騰に見舞われた。ただ部分的に投入コストは低下してきており、「現在は状況が異なっているようだ」という。

一方、イタリア最大の農業従事者団体「コルディレッティ」は、パスタの小売価格の高騰で小麦の生産者の収入が増えているわけではないと指摘する。パスタメーカーの間で人気の高いデュラム小麦の価格は昨年5月以降、30%下落した。パスタは水と小麦を混ぜるだけで作れるので、小売価格の大幅な引き上げは「ほとんど正当化できない」とコルディレッティは主張している。

CNNはパルマに本社を置くパスタメーカーのバリラにコメントを求めたが、現時点で返答はない。ロイター通信によると同社は業界の世界最大手。

前出の消費者の権利団体とウルソ企業相はパスタの価格について、収益拡大のため人為的に引き上げられた可能性を示唆。ウクライナでの戦争の影響は建前に使われているかもしれないとの見解を示した。ただここまで特定の企業を責める構えは見せていない。

イタリアの食品生産者を代表する団体「ウニオーネ・イタリアーナ・フード」の広報担当者は、CNNの取材に答え、店頭に並ぶパスタの値段について、エネルギー価格や包装・流通コストの影響を大きく受けると説明。これらの費用は全て上がっていたとしたものの、その具体的な期間には言及しなかった。

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