偽神父に従業員の「罪」告白させた飲食店、経営者に2000万円支払い命令 米加州
ニューヨーク(CNN) 米カリフォルニア州の飲食店が、偽の神父を雇って従業員の「罪」を告白させていたなどとして、14万ドル(約2000万円)の未払い賃金と損害賠償を従業員に支払うよう命じられた。
労働省の発表によると、カリフォルニア州北部でレストラン2店を経営するチェ・ガリバルディ氏は、偽の神父を雇って従業員の勤務時間中に話をさせ、遅刻したことはあるか、店の金を盗んだことがあるか、雇用主に対して「悪意」を持ったことはあるかなどと尋ねて「罪を告白させた」とされる。
同店の従業員は宣誓証言の中で、店から促されて神父とされる人物に職場での「罪」について話を聞かせたと語った。別の従業員は、同省の調査によって移民関連の問題が指摘されるという作り話をマネジャーから聞かされたと証言したという。
カトリック教会のサクラメント教区は、問題の偽神父と同教区との関係は一切ないと強調した。
ガリバルディ氏ほか3人のレストラン経営者らは、従業員35人に対して14万ドルの未払い賃金と損害賠償を支払うよう命じられた。さらに民事制裁金として5000ドルを支払う必要がある。
調査の結果、従業員の超過勤務手当が支払われていなかったことや、マネジャーの賞与が従業員のチップから支払われていたこと、捜査に協力した従業員が移民として不利な扱いを受けていたことも分かった。
「従業員に対して報復しようとしたこの雇用主の卑劣な行動は、労働者を黙らせ、調査を妨害し、未払い賃金の回収を阻止することが狙いだった」と労働省は指摘している。