台湾・鴻海、中国当局の調査対象に 創業者は総統選へ出馬

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フォックスコン創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏/Ann Wang/Reuters/File

フォックスコン創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏/Ann Wang/Reuters/File

香港(CNN) 米アップルにとって最大の供給業者の一つ、台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)が中国で当局による調査を受けていることが分かった。国営メディアが明らかにした。

フォックスコン創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は、8月に台湾総統選への出馬を表明していた。中国政府から圧力を受けることはないと強調しているが、中国国内では広範に事業を展開している。

今回の調査が郭氏の総統選出馬と関連するのかどうかは不明だが、アナリストらはこうした動きにより、中国国内で活動する外国企業には緊張が走るだろうと指摘する。

国営メディアの環球時報が22日に伝えたところによると、税務当局は最近、広東省や江蘇省にあるフォックスコンの主要な子会社に対して監査を実施した。現地には大規模な工場が複数ある。自然資源部も河南、湖北両省での同社の土地利用を調査したという。匿名の情報筋を引用して報じた。

フォックスコンはCNNへの声明で、法令順守が同社の「基本原則」の一つだと強調。関連機関に対して積極的に協力していると付け加えた。

同社はアップルのスマートフォン「iPhone」の工場を広東省と河南省に複数所有する。そのうち鄭州市のiPhone工場は世界最大の規模を誇る。

当局による外国企業への締め付けとしては、日本の外務省と北京の日本大使館の当局者らも先週、中国当局が3月に拘束していた日本人男性を正式に逮捕したと明らかにした。東京に拠点を置くアステラス製薬の50代の社員と報じられるこの男性は、中国の治安機関に北京で拘束されていた。容疑は同国の刑法と反スパイ法に対する違反だという。

郭氏は来年1月に行われる台湾総統選に無所属で出馬すると発表している。記者団は長年にわたり郭氏が中国国内で事業を展開していることを念頭に、中国政府からの圧力に対してどのように対処する計画かと質問。これに対し郭氏は、中国政府の命令に従うつもりはないと答えた。

「もし中国共産党政権が、言うことを聞かなければ鴻海の資産を没収すると告げてきても、私は『どうぞおやりなさい』と返すだろう」(郭氏)

ただフォックスコンの世界的な影響力は極めて大きいため、中国政府が同社を脅迫するとは考えていないと、郭氏は付け加えた。

フォックスコンは数万人の株主を世界中に抱えており、そこには有力な投資会社や年金機構が含まれるという。

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