11月の中国輸出、6カ月ぶりに増加 経済低迷への押し上げ効果はなしか
香港(CNN) 中国税関総署が7日発表した11月の貿易統計によると、輸出は4月以来となる増加に転じた。一方で輸入はわずかに減少した。
11月の輸出はドル建てで前年比0.5%増加。10月は同6.4%減だった。世界的な需要の低迷を受け、輸出は10月まで6カ月連続で減少が続いた。
予想に反する11月の増加には、季節的な要因が絡むとみられる。輸出はたいてい、年末のホリデーシーズン前に勢いを増す。また昨年11月は新型コロナウイルスの感染拡大で貿易が伸び悩んでいたことも、今年の増加につながった。
専門家からは中国経済の回復を裏付ける前向きな兆候と評価する声が上がるが、この勢いが持続するのかどうかは不透明だ。とりわけ11月の輸入は予想外の減少を記録しており、国内需要の不振が見て取れる。
税関総署のデータによれば、11月の輸入はドル建てで0.6%低下した。10月は3%増を記録していた。ロイター通信がまとめたアナリストらの予測では、3.3%の増加を見込んでいた。
1~11月の輸出は、前年同期比で5.2%落ち込んだ。
欧州連合(EU)と米国向けの輸出はそれぞれ5.8%、8.5%減少した。アナリストらは、これらの数値が今後数カ月で著しく改善することはないとみている。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)は来年の中国の成長見通しを、それぞれ4.4%、4.6%に下方修正した。米格付け会社ムーディーズも中国経済の成長は2024年、25年共に4%に減速すると予想している。