英BP、フーシの攻撃を理由に紅海通航停止 石油・天然ガス急上昇
ロンドン(CNN) イエメンの反政府武装組織フーシによる商船攻撃の増加を理由に、英石油大手BPが紅海の通航の全面停止を発表したことを受け、18日の石油・天然ガス価格は急上昇した。
これ以前にも複数の大手海運企業が同様の措置を講じており、アナリストは世界のサプライチェーン(供給網)に影響が波及し、物資輸送コストを上昇させる可能性に警鐘を鳴らしている。
BPは声明で「紅海の船舶を巡る治安状況の悪化に鑑み、BPは紅海を通るすべての航行の一時停止を決めた」と説明。停止措置は予防的なもので、地域情勢の変化に応じて継続的に見直しを行うと述べた。
この発表を受け、石油価格は急上昇した。世界の石油価格の指標であるブレント原油は米東部標準時午前11時15分までに2.7%高の1バレル=78.64ドル、米国石油は2.8%高の1バレル=73.44ドルに上昇した。
天然ガス市場にも影響が広がり、欧州の天然ガス指標価格は7.7%上昇して1メガワット時当たり35.75ユーロを超えた。
イランを後ろ盾とするフーシはイスラム組織ハマスとパレスチナ人への支持を表明しており、イスラエルとハマスの戦闘発生以降、フーシによる航空攻撃は一段と頻度が増している。フーシは一連の攻撃について、イスラエルへの復讐(ふくしゅう)だと主張している。
世界の大手海運企業はこのところ、世界貿易の大動脈の一つである紅海の通航を相次ぎ停止。専門家の間では、サプライチェーンの停滞や運送コストの上昇につながる可能性も指摘されている。
MSCやマースク、CMA CGM、ハパックロイドは最近、安全上の懸念からスエズ運河を避ける方針を表明。18日にはエバーグリーン・グループのコンテナ船部門も声明で、イスラエル関係の輸出入サービスを「追加の通知があるまで即時」停止すると明らかにした。