ボーイング内部告発者の死は自殺、警察が報告書公表 米
(CNN) 今年3月に遺体で見つかった米航空機大手ボーイングの内部告発者、ジョン・バーネット氏(享年62)の死因について、地元警察は17日、自殺との報告書を公表した。ボーイングの長年の従業員だったバーネット氏の死を巡る捜査に終止符が打たれた。
ボーイングの安全性や生産基準に懸念を呈したバーネット氏は、会社から違法に報復を受けたとして、同社を相手取った訴訟を起こしていた。
バーネット氏は3月9日、サウスカロライナ州チャールストンの車内で、自らを銃で撃った傷が原因で死亡しているのが見つかった。弁護士や警察の報告書によると、バーネット氏が訴訟の証言録取に現れなかったことから、宿泊先のホテルに警官が派遣されていた。
現場に到着した際、警官らは駐車場に止めたトラックの運転席でバーネット氏が死亡しているのを発見。その手には拳銃が握られていた。警察の初期報告書では、トラックの車内から遺書が見つかったことも明らかにした。
ただ、バーネット氏の弁護士は死後の声明で、証言録取は終わりに近づいており、バーネット氏は意気軒昂としているようだったと説明。「自ら命を絶つような兆候は全くなかった。自殺だと信じる人はいない」と述べ、チャールストン警察に真相究明と市民への報告を要請した。
チャールストン警察は17日、バーネット氏の死を巡る捜査を終え、地元検視当局が自殺と断定したことを明らかにした。
捜査の結果、バーネット氏が至近距離から頭を撃ったこと、銃は右手から見つかったことが判明。警察のメディア向けの発表によると、車の前方の座席からは「同氏が深刻な苦悩を抱えていた」兆候を示す遺書も見つかったという。
警察はCNNに対し、車内に残された遺書の画像を提供。そこにはボーイングを批判するメッセージが複数書かれている。
ボーイングのコメントは得られていない。同社は3月、バーネット氏に悲しみを覚えていると述べ、友人や遺族に弔意を示していた。