ティッセンクルップが鉄鋼部門で1.1万人削減へ 立て直し図る独産業界

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ティッセンクルップの鉄鋼工場で働く従業員=2023年11月、ドイツ・デュースブルク/Wolfgang Rattay/Reuters

ティッセンクルップの鉄鋼工場で働く従業員=2023年11月、ドイツ・デュースブルク/Wolfgang Rattay/Reuters

ロンドン(CNN) 独鉄鋼大手ティッセンクルップは25日、ティッセンクルップ・スチールで、2030年までに、従業員の40%に相当する1万1000人を削減すると明らかにした。ドイツは欧州最大の経済大国だが、同国の産業界では経営の立て直しに向けて思い切った行動を選択する企業が増えている。

ティッセンクルップによれば、30年までに、生産の削減と管理の合理化を通じて約5000人の人員削減を目指す。さらに事業の売却などを通じて6000人を削減する。

ドイツ経済をめぐっては、これまでも厳しい報道が出ていた。ドイツでは、有名な製造業者が中国の競合との激しい競争に直面しているほか、高い人件費や高額の税金といった伝統的に不利な部分を抱える。さらに、22年に始まったロシアによるウクライナ侵攻によってエネルギー価格が高騰した。

ドイツ経済は昨年、新型コロナ禍以降、初めてマイナス成長を記録した。欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会が先ごろ発表した見通しによれば、ドイツは今年もマイナス成長に陥るとみられている。

ドイツの製造大手では、自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)も費用削減と競争力強化を目的とした大規模な刷新を行おうとしている。

ティッセンクルップとVWの問題は、ドイツの広範な民間部門の苦境を反映したものだ。

経済団体「ドイツ産業連盟(BDI)」が委託した最近の調査によれば、主に、エネルギー費用の高さとドイツ製品市場の縮小により、現在から30年にかけて、ドイツの工業生産高の5分の1が失われる可能性がある。

調査によれば、燃焼技術などドイツが数十年にわたって築いてきた先導的立場は重要性を失いつつあり、地政学的な緊張の高まりや世界的な保護主義、立地条件の弱さなどにより、ドイツの輸出モデルはますます圧力に直面しているという。

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