バイデン氏、米沿岸の広範な海洋採掘を恒久的に禁止

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米カリフォルニア州ハンティントン・ビーチ付近の石油掘削場/David McNew/Getty Images

米カリフォルニア州ハンティントン・ビーチ付近の石油掘削場/David McNew/Getty Images

(CNN) 米国のバイデン大統領は6日、大西洋と太平洋の一部における石油・ガスの海洋開発を恒久的に禁止する大統領令を発表した。今回の措置は、トランプ次期大統領の政権による撤回をとりわけ困難にする可能性がある。

バイデン氏の大統領令は米東海岸全域、メキシコ湾の東部、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア各州の沿岸、さらにアラスカ州沿岸の北ベーリング海の一部を対象に新たな石油・ガスの採掘に向けたリースを禁止する内容。米国に接する海洋6億2500万エーカー(約253万平方キロ)が禁止の範囲となる。

バイデン氏は声明で、これらの海洋の採掘は現地の環境に不可逆的な悪影響を及ぼす可能性があると指摘。米国のエネルギー需要を満たす上で必要な開発ではないとの見方を示し、「リスクを取る価値がない」と述べた。

大統領令が根拠とする1953年施行の連邦法の条項では、大統領に対し、将来の石油・ガス採掘から米国の海域を除外する広範な権利を認めている。同法は除外措置を撤回する明確な権限を大統領に与えていないことから、トランプ氏がバイデン氏の大統領令を覆すには、連邦議会で法律内容を変更する必要がある。

それでもトランプ氏は6日のラジオ番組のインタビューで、すぐに禁止を解除する意向を示した。

次期政権で大統領報道官を務める予定のカロリン・リービット氏は、X(旧ツイッター)への投稿でバイデン氏の決定を非難。「これは恥ずべき決定で、米国民に対する政治的復讐(ふくしゅう)に他ならない。米国民はトランプ大統領に対して採掘を拡大し、ガソリン価格を引き下げる権限を与えた」と述べ、政権として資源開発を強化する方針は変わらないことを示唆した。

石油業界からも大統領令に反発する声が上がっているが、バイデン氏は声明の中で、海洋掘削から海岸線を守ることに関しては超党派の支持を得ていると主張した。

一方、CNNの取材に答えたエネルギー業界のアナリストらは、採掘禁止の措置が米国の石油生産に際立った影響を及ぼすことはないとの見方を示した。バイデン政権下で米国の石油生産は過去最高を記録している。

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