米株価指数先物が大幅安、市場の売り圧力は継続
(CNN) 米株価指数先物は6日夜、大幅安となった。市場は過去2日ですでに下落しており、時価総額が5兆4000億ドル(約785兆円)消失した。7日の市場も下落して始まるとみられており、米大企業を幅広く網羅する株価指数「S&P500」も弱気相場が目前の状態だ。S&P500は最高値から20%下落しており、投資家、そして経済全体にとって不吉な前兆となっている。
ダウ先物は3.3%安、S&P500先物は3.7%安、ナスダック先物は4.6%安だった。
米原油先物も3%下落し、1バレルあたり60ドルの水準を割り込んだ。原油先物が1バレルあたり60ドルの水準を下回ったのは2021年4月以来。投資家は関税によって世界経済が落ち込み、航空や貨物、輸送、旅行といった燃料を必要とする活動の需要が減退するのではないかと懸念しており、石油価格が急落している。
代表的な暗号資産(仮想通貨)の「ビットコイン」も値を下げており、5.6%安の7万8736.93ドルとなった。ビットコインはトランプ大統領の就任を受けて10万ドル超に急騰していた。トランプ氏の就任が暗号資産に追い風となるとみられていた。
先物の大幅安は、新型コロナ流行以降の5年間で最悪となった2日間の株価下落に続くものだ。市場は、トランプ氏の掲げる大規模な関税政策に拒否の姿勢を示している。関税の一部は5日に発効し、さらに大規模な関税が9日に発効する予定となっている。関税をめぐっては、中国が4日、「相互関税」として米製品に対する34%の追加関税を発表した。
メイン・ストリート・リサーチの最高投資責任者(CIO)、ジェームズ・デマート氏は「先週の激しい売り圧力は7日も続くだろう。市場が伝えているのは、投資家は関税や報復関税の影響について、まだ明確な見通しを持っておらず、経済成長が完全に停滞したり、景気後退に陥ってしまったりするのではないかと懸念しているということだ」と述べた。