スクールバス目指した少年が洪水で死亡、他のバスは1時間以上前に運行中止に 米
米中西部で荒天
(CNN) ガブリエル・アンドリュース君(9)は春休み前の最後の登校日となった4日、スクールバスに乗るため夜明け前に目を覚ました。ガブリエル君はこの数時間後に命を落とすことになる。
米ケンタッキー州が集中豪雨に見舞われ、国立気象局(NWS)は4日、13郡に対して洪水警報を発令した。発令の対象となった地域にはフランクリン郡全域が含まれる。ガブリエル君の家族は同郡にある州都フランクフォートに住んでいる。
午前0時29分ごろに発令された気象に関する速報では、小川や河川、市街地、幹線道路、街路、地下道、低地、排水が不十分な場所で、鉄砲水が発生する危険性があると警告した。13郡に対する警報は午前8時半に解除される予定だった。
午前6時35分ごろ、ガブリエル君は家を出た。だが、警察によれば、ガブリエル君はスクールバスにたどり着くことはできなかった。
警察によれば、ガブリエル君はスクールバスの停留所まで歩いていたところ、ヒッコリーヒルズ地区の洪水に巻き込まれたとの報告があった。救急隊が現場に急行し、広範囲にわたる捜索活動が行われた。
ボランティアも捜索に加わった。そして、午前8時47分ごろ、ガブリエル君は流されたと報告があった場所から約800メートル離れたところで発見された。フランクリン郡の検視官が明らかにした。
米中部を襲った荒天では、数十の竜巻が発生。大雨が降り、洪水が発生した後、複数の州で少なくとも9人が死亡した。ガブリエル君も今回の荒天による犠牲者のひとりだった。
ガブリエル君の死をめぐっては、誰にも責任のない悲劇的な事故だとの見方も出ているが、一方で、広範囲に洪水警報が発令され、学区では早朝からスクールバスの2路線について運行を中止していたにもかかわらず、授業の開始を遅らせたり中止にしなかったりしたとして非難する声もある。
CNNはフランクリン郡の教育長や広報にコメントを求めた。
同郡のマーク・コップ教育長は声明で、ガブリエル君の遺族に弔意を示したものの、なぜ学区が4日の授業を延期または中止にしなかったのかについては明らかにしなかった。
フランクリン郡の教育委員会は4日午前5時ごろ、ウェブサイトとフェイスブックに、同日朝はバスの2路線について運休する必要があるとの緊急のメッセージを投稿した。
通知では影響を受ける地域が提示されており、一部の生徒については通学が困難になる可能性があると認めていた。
同区は数時間後、学校が閉鎖されているとのうわさを否定し、4日に休校となった学校はないことを最新情報で確認した。
ガブリエル君のクラスメートの母親は、なぜ授業を休みにしなかったのか疑問を呈した。この人物はCNN提携局WLKYの取材に対し、雨が激しく降って道路が冠水したため、一部地域のバスはすでに運休になっていたと語った。
郡の検視官はガブリエル君の死因について明らかにしていない。5日に検視解剖が行われ、結果が判明するまでに16週から20週かかるとみられている。
検視官が提供した地図によれば、ガブリエル君は発見される前に南西に約800メートル流されていた。それ以外については依然として多くの疑問が未解決のままだ。検視官は、警察と検視局が引き続き捜査を行っていると述べた。