米中小企業、トランプ政権を提訴 関税賦課の権限巡り

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米メリーランド州ボルティモアの港湾に立ち並ぶ船舶からの積み下ろし用のクレーン/Samuel Corum/Sipa USA/AP

米メリーランド州ボルティモアの港湾に立ち並ぶ船舶からの積み下ろし用のクレーン/Samuel Corum/Sipa USA/AP

(CNN) 米国の企業グループが14日、トランプ大統領の関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)の下で違法であると主張する訴訟を起こした。

提訴したのは、関税によって「深刻な被害」を受けたとする五つの企業を代表する法律擁護団体リバティ・ジャスティス・センター。

IEEPAは、国家安全保障や経済に対する「異例かつ異常な脅威」に対応するため、大統領に緊急経済力を発動する権限を与えている。しかし原告は、現状でこの基準が満たされていないと訴える。訴状はまたこの法律について、大統領が一方的に関税を課すことを認めていないとも主張している。

リバティ・ジャスティス・センターのシニア・カウンセル、ジェフリー・シュワブ氏は声明の中で、「世界経済に甚大な影響を与える税金を課す権限を、一人の人間が持つべきではない」と指摘。「憲法は、関税を含む税率を決める権限を大統領ではなく議会に与えている」と述べた。

これに対しホワイトハウスのフィールズ報道官は、CNNに寄せた声明の中で、他国との貿易赤字は 「国家非常事態」に当たると主張した。

その上で「ネバートランパー(決してトランプ氏を認めない人々)は常にトランプ大統領に反対するだろうが、トランプ大統領は貿易相手国、特に中国による米国の搾取に終止符を打つことで、実体経済のために立ち上がっている」「同氏の計画により企業と労働者の競争は公正なものとなり、慢性的な貿易赤字という我が国の国家的緊急事態に対処できる」と述べた。

トランプ氏の広範な関税に対して法的な異議申し立てが行われたのはこれが初めてではない。今月3日、市民権団体NCLAは、IEEPAが大統領による関税制定を認めていないと主張する訴状を提出した。この訴訟は、フロリダ州を拠点とし、中国から輸入した素材を使ったシステム手帳を販売しているシンプリファイド社を代表して、同州北部地区連邦地方裁判所に提出された。

NCLAのアンドリュー・モリス上級訴訟顧問は、シンプリファイド社の提訴を発表する声明の中で、「法令が認めていない中国からの輸入品に全面的な関税を課す緊急権を発動することで、トランプ大統領はその権限を悪用し、関税を管理する議会の権利を簒奪(さんだつ)し、憲法の三権分立をひっくり返した」と述べた。

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