火星にかつて「生命が存在可能な環境」 NASA
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は12日、火星探査機「キュリオシティ」の探査の結果、火星にかつて生命の存在が可能な環境があったことが分かったと発表した。
キュリオシティのプロジェクトを担当する科学者のジョン・グロツィンガー氏は米カリフォルニア州で同日記者会見し、「我々が発見した生命存在可能な環境は、安全に生命を維持することができ、もしそこに水があったとしたら、飲むこともできていたはずだ」と語った。
発表によると、キュリオシティが火星の岩石を掘削して回収した粉末試料を分析した結果、生命の存在に必要な硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素などの化学物質が豊富に含まれていることが分かった。グロツィンガー氏はこの環境について、「微生物が存在し、恐らくは繁殖していた可能性のある環境」と定義している。
粉末の色は緑がかった灰色で、それほど酸化していないことを示しており、そこに存在していたかもしれない有機物を維持することが可能だったとNASA研究者は解説する。この試料の20~30%は、水のある場所に形成されるスメクタイトという粘土鉱物の一種だったという。
キュリオシティが探査を行っている「イエローナイフ・ベイ」という場所にはかつて、わずかに塩分を含んだ液体の水があったと思われるという。