米アラスカ湾で大量のクジラ死ぬ、原因不明 海洋大気局
(CNN) 米海洋大気局(NOAA)は23日までに、アラスカ州のアラスカ湾西部でクジラが憂慮すべき割合で死んでいる事態が発生し、原因調査に当たっていることを明らかにした。
今年5月以降に死んだ大型のクジラは少なくとも30頭。同州でこれほどの数の大型クジラが死んだ事例は初めてとしている。死因は不明だが、クジラから検体を採集し、バクテリア、ウイルスや生体毒素の有無などを検査している。
ただ、死んだクジラのうち回収出来たのは1頭にとどまっており、他は海面に浮遊するなどして収容は難しい状態にあるという。死因の調査結果をまとめるには数カ月間もしくは数年要する見通しとなっている。
カナダのブリティッシュコロンビア州当局も死んだクジラの頭数が異例な水準に達していることを確認している。NOAAによると、アラスカ州当局者はまた、アラスカ半島地域で鳥の1種であるウミガラスが数多く死んでいることも報告した。
NOAAによると、アラスカ湾などの海岸に迷って漂着する大型クジラの頭数は2010年以降、毎年15頭以下となっている。
クジラが大量に死ぬ今回の事態は、藻(そう)類が米カリフォルニア州中部沖からワシントン州まで異常発生する中で発生。NOAAは、アラスカ州沖合も何らかの影響を受けている可能性があると見ている。
海洋生物が大量に死ぬ異変は1991年以降、計61件発生。このうち約半分は感染、生体毒素、人間との接触や栄養不良が原因だった。近年では、藻類の異常発生に根差す生体毒素が主因だった事例が大半となっている。