遺伝子操作で犬の筋肉増強に成功、難病治療への期待も 中国
米国立衛生研究所の専門家はこの研究について、結論を急ぐべきではないとしたうえで、「(遺伝子操作に成功した)犬の数がまだ少ない。さらに多くの犬が同じプロセスを経てどのようなバリエーションが現れるのか興味深い」と語った。
こうした変異は人間でも事例が報告されている。2003年にドイツのベルリンで生まれた男の子は、生まれながらミオスタチンが欠損していると診断された。医学誌によれば、この男の子は異常に筋肉質で、太ももや上腕部の筋肉の発達が著しいという。
5歳にもならないうちから強さとたくましさを増し、「重さ3キロのダンベル2個を、両腕を水平に伸ばした状態で持ち上げて維持できる」力があったと同誌は伝えている。
遺伝子操作に対しては倫理問題もつきまとう。英動物愛護団体の関係者は中国のビーグル犬の研究について、「強くさせたり走る能力を高めたりすることのみを目的とした動物の遺伝子操作は絶対に容認できない」と強調した。
ただし「人の病気の治療を助ける目的の研究であれば正当化できる余地は大きい。それでも遺伝子操作の影響はあまりに大きく、やはり代替の方法を模索する必要がある」と話している。