アマゾン川河口に巨大サンゴ礁、学術調査で発見
(CNN) ピンク色のイルカや肉食の淡水魚ピラニアなど多様な生物の宝庫として知られる南米アマゾン川の河口付近に、全長1000キロ近くに及ぶ巨大なサンゴ礁が存在していることが分かった。ブラジルと米国の研究チームがこのほど科学誌サイエンスに発表した。
米ジョージア大学とブラジルのリオデジャネイロ連邦大学の調査団は、淡水と海水が交わるアマゾン川の河口付近で調査を実施。主な目的はブラジルの排他的経済水域の調査だったが、1970年代の文献にサンゴ礁にすむ魚類についての言及があったことから、サンゴ礁についても調べることにした。
その結果、南米大陸北東部の大陸棚に沿って、仏領ガイアナからブラジルのマラニョン州まで約9300平方キロの範囲に及ぶサンゴ礁が存在し、多様な魚類やカイメンなどの海洋生物が繁殖していることが分かった。
アマゾン川のような大河は普通、サンゴの生育に適した塩分濃度や水素イオン濃度、透明度などの条件が整っていないことから、今回の発見は予想外だった。
研究チームによれば、アマゾン川河口のサンゴ礁は健全な状態にあり、サンゴ礁にすむ魚類73種類が確認されたという。特に光の届く量が多い南部は生物の種類が豊富で、北へ行くほどカイメンのような生物が増える傾向があった。
しかし海水の酸性化や温暖化、海底石油探査計画などにより、サンゴ礁は存続を脅かされかねない状況にあるとして、研究チームは警鐘を鳴らしている。