砂糖業界、健康リスクの科学的論議を操作 有利な研究支援か
ユドキン氏の説については、砂糖業界が心疾患に関する科学的論議を「操作」し、糖分摂取に関する他の研究と共に覆い隠したと、カリフォルニア大学の研究チームは結論付けている。
同チームは1959年~71年にかけて、糖類研究財団と研究者の間で交わされた手紙を集め、内容を調べた。
この中の1通では財団の幹部がハーバード大学の研究者(2009年に死去)の論文の草稿について、「我々が想定していた通りの内容だ。発表を楽しみにしている」と記していた。
カリフォルニア大学のローラ・シュミット教授はこの内容について、「業界が科学を操作していたことをうかがわせる一端」と解説する。
当時の論文やシンポジウムの内容なども調べた結果、砂糖業界が1960~70年代にかけて糖分のリスクに疑問を投げかける研究を助成する一方、脂肪分のリスクにスポットを当てる研究を支援していたことが分かったという。