砂糖業界、健康リスクの科学的論議を操作 有利な研究支援か
米国では食品の脂肪分が減らされるにつれ、味覚を保つために砂糖の使用が増えた。「砂糖利益団体は常に科学研究の最前線にいて、極めて巧妙なやり方で介入し、自分たちの不利になる内容から論議をそらして自分たちのためになる方向へ向かわせようとした」。カリフォルニア大学のスタン・グランツ教授はそう解説する。
シュミット教授は、こうした心疾患についての研究が、現代の米国人の健康に影を落としたと指摘。「もし1965年に戻って『心配すべきは脂肪分と心疾患だけでなく、糖質や糖類にも目を向けなければならない』と呼びかけていれば、肥満や心疾患などの現状は大きく変わっていたかもしれない」と話している。
糖類研究財団を引き継いだ砂糖協会は電子メールで声明を出し、「60年も前に起きた出来事についてコメントするのは難しい」という見解を示した。