世界最大級の望遠鏡が完成、地球外生命探査に期待 中国
感度が格段に高いFASTを使えば、生命の存在する可能性がある太陽系外惑星を発見できる確率は、これまでの望遠鏡よりも高まる。中国の専門家は新華社に対し、「遠く離れた暗い惑星も観測できるので、宇宙人の文明を発見できる可能性はこれまでの望遠鏡の5~10倍になる」と語った。
FASTは中国の宇宙開発への野心を裏付ける存在でもある。同国は15日、宇宙ステーションの前段となる宇宙実験室「天宮2号」の打ち上げに成功している。
ただし限界もある。彗星(すいせい)や小惑星の軌道はFASTでは予測できない。「FASTは宇宙の起源や銀河の構造の解明には役立つかもしれないが、人類の文明を破壊する可能性のある小惑星の接近について警告を出すことはできない」とバコッチ氏は解説する。
FASTの利用は最初の2~3年は中国の天文学者が優先され、その後は各国の研究者に開放される予定。