宇宙飛行士の腰痛、原因は筋肉の萎縮か 米研究チーム
滞在前後のMRI(磁気共鳴断層撮影)画像を比較すると、飛行士らの腰の筋肉は19%も減少していた。帰還後に6週間の訓練とリハビリを実施してからさらに調べたところ、失われた筋肉は68%しか回復していなかったという。
これは将来の有人宇宙飛行にかかわる重大な問題だと、チャン博士らは指摘する。例えば火星に行く場合を考えると、片道で8~9カ月かかるうえ、滞在中に受ける重力も地球上の4割ほどにすぎないため、筋肉の萎縮が懸念される。
チームでは今後、腰のほかに首の痛みについても研究する予定だ。首は腰よりもさらに筋肉が萎縮しやすく、回復に時間がかかる可能性があるという。別の大学との共同研究で、ISSに滞在している飛行士の背骨の変化を超音波で調べる計画もあるという。
チャン博士はまた、腰痛を和らげる対策として、飛行中の体力トレーニングにヨガを取り入れる案などを検討している。