ハリケーン観測衛星で風速を計測、予報精度向上へ NASA
携帯電話のようなGPS受信装置を使って海面の波の様子を測定し、衛星同士でそのデータを比較する。北緯35度~南緯35度の範囲で地球の軌道上を周回しながら、北は米フィラデルフィアから南はオーストラリア南部メルボルンの範囲をカバーし、最大で毎秒32回の風力測定を行う。
現在の気象観測衛星が1日に1~2回しかハリケーンの上空を通過しないのに対し、CYGNSSでは12分ごとに風力の測定ができるという。早ければ2017年のハリケーンシーズンからデータの提供が開始される見通し。
ただしマイアミ大学のブライアン・マクノルディ氏によると、当初はこのデータをリアルタイムで入手することはできない。
同プロジェクトはNASAの予算で実施され、3カ所の基地局で数日ごとにデータをダウンロードする予定だが、米海洋大気局(NOAA)のハリケーン予報などにリアルタイムで使うためには追加の予算を割り当てる必要があるという。