フレンチの流行から健康志向、ファストフードまで――歴代大統領の食事から見る米国の変遷
ホワイトハウスでは大統領や来客がビッグマックなどを注文する場合もある。大統領の警護を行うシークレットサービスが取りに行くという。
ビル・クリントン氏もファストフードを好んだことで知られており、お笑い番組でもたびたびネタにされた。
米大統領の食習慣は変化を続けてやまない米国人の食生活を反映しているとの見方を示すのは、歴史家で、リンカーンの食生活についても詳しいスージー・エバンズ氏だ。
エバンズ氏は、大統領の食生活の歴史を詳しくたどることで、米国の社会史や文化史、政治史について多くの知見を得られると指摘。食事や外交、大統領制をめぐる豊かな歴史についても学べるところが多いとしている。
1700年代後半や1800年代初頭の米国では欧州料理が人気を博していた。この傾向は1800年代後半あたりで変化したとみられる。シール氏によれば、第11代大統領のジェームズ・ポークは食にうるさく、ホワイトハウスの調理場から出される小じゃれた料理が気に入らなかった。大統領の日記には、「よくわからなかったが、フランス料理とみられる食べ物が出てきたので、代わりにカブラとコーンブレッドを要求した」などと書かれているという。