「顧みられない熱帯病」、制圧へ向け前進 WHO
世界の失明の筆頭原因となっている「トラコーマ」も、この10年でオマーン、モロッコ、メキシコが根絶を宣言した。治療のための手術を受けた患者は18万5000人を超えている。
犬から感染する「狂犬病」は、米州地域での死者が2015年以来、12人に減少。「アフリカ睡眠病」は新たに感染が確認された患者が1999年の3万7000人から、2015年には3000人に激減した。
一方、専門家は、特に憂慮される疾患として、「トレポネーマ症」「リーシュマニア症」「シャーガス病」を挙げる。この3疾患は、他の疾患に比べて医薬品の寄付が少ないなどの理由で、依然として「顧みられない」状態が続いているという。
それでも貧困対策などの一環として優先的な取り組みを続ければ「2030年までに根絶またはほぼ根絶」状態とすることも可能だと専門家は予想している。