スペースX、米情報機関の機密衛星を打ち上げへ
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業「スペースX」は30日までに、米情報機関の委託を受け使用目的が機密扱いとなっている衛星「NROL―76」を同日打ち上げ、軌道への投入を目指すことを明らかにした。
同衛星の打ち上げを依頼したのは米国の偵察衛星の開発や運用管理に当たる米国家偵察局(NRO)。同機関が担う任務は、テロリスト追跡、他国における核兵器開発の監視やミサイル攻撃が発生しかねない事態での早期警告などを含めた米国への脅威の有無の調査となっている。
米フロリダ州ケネディ宇宙センターでの今回の衛星の打ち上げ時刻は米東部時間の30日午前7時の予定。
スペースXは、NROL―76の大きさや軌道投入の宇宙空間の場所などについての詳細な情報は共有していないとしている。同社は来年、米空軍用の全地球測位システム(GPS)衛星の軌道投入も予定している。
スペースXは衛星打ち上げ分野で米ボーイング、米ロッキード・マーチン両社などの食い込みが強固な政府事業への進出を図ろうとしているが、苦戦している。2014年には軍事関連契約への入札参加資格を得るため米政府を提訴してもいた。
一方で、米航空宇宙局(NASA)絡みの契約獲得では長年の実績を持つ。12年以降、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資飛行は9回に達している。
30日のロケット発射はスペースXにとって先月成功した再利用ロケットの打ち上げ以来となる。30日の発射には新しいロケットを使用するが、打ち上げ後に第1段の噴射ロケットを回収し、将来の別の打ち上げでの再使用をにらんでいる。