スペースX、米情報機関の機密衛星打ち上げに成功
ニューヨーク(CNNMoney) 米民間宇宙開発企業スペースXは1日、米情報機関の偵察衛星をフロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターから打ち上げ、軌道に送り込むことに成功した。
打ち上げは当初、4月30日に行われる予定だったが、ロケット下部のセンサーの問題のために延期されていた。
打ち上げを委託したのは偵察衛星の開発や運用を行っている米政府機関の国家偵察局(NRO)。今回の衛星「NROL-76」に関する詳細は極秘とされ、スペースXでは偵察内容や衛星の大きさ、軌道上の場所などを一切明らかにしていない。
NROによると、同衛星はテロ組織や他国の核兵器など米国に対する潜在的脅威の監視を担い、ミサイルが発射された場合の早期警報にも利用できる。
スペースXは通常であれば打ち上げの様子をインターネットで公開しているが、今回は第1段ブースターをロケット上段から切り離した時点で中継を打ち切った。
使用済みのロケットは、無事地球に帰還した。打ち上げから約7分後、再びエンジンに点火したロケットは大気圏に突入し、コンピューターに誘導されて、ケネディ宇宙センターにある幅約90メートルの着陸台に着陸した。
ロケットは使用後に廃棄されるのが一般的だったが、スペースXはコスト削減を目的に回収や再利用を進め、先月には再利用ロケットの打ち上げを成功させていた。
1日の打ち上げに使ったのは新しいロケットで、同社が使用済みロケットの回収に成功したのは今回が10回目。2017年はあと6回、再利用ロケットの打ち上げを予定している。