探査機カッシーニ、土星の大気に突入 13年間の探査に幕
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)によれば、土星探査機「カッシーニ」は米東部時間の15日午前6時30分ごろ、土星の大気上層に高速で突入し、熱と高圧のため燃え尽きた。打ち上げから約20年に及ぶミッションを無事に終え、土星の一部となった。
カッシーニによる最後の交信とデータはその約1時間半後、オーストラリアの首都キャンベラにあるNASA深宇宙ネットワークの施設に到達した。遠く離れた土星から地球まではデータの到達に時間がかかる。
NASAは事前の予想通り、同日午前7時55分にカッシーニの消滅を確認した。大気突入の間も、小型エンジンの助けを借りてアンテナが地球の方向に保たれている間は約1分間にわたり、土星の組成に関する新たなデータを送信することができた。
これほど土星に接近した宇宙船はカッシーニの他にない。NASAによれば、カッシーニによるミッションの最後の数秒は、土星大気の初の観測結果をもたらしたという。14日には最後の画像を撮影し、最終突入に備えるため記録装置内にある全データを送信。15日に得られた最後のデータはすでに処理と分析が進められている。
NASAの探査機管制チームのトップは、「完璧な宇宙探査機だった」「最後までこちらのリクエストにすべて応えてくれた」と語った。チームメンバーの多くがミッションの終わりに寂しさを感じるとともに、最後の土星接近で得られた画期的な科学的発見に期待を寄せている。
カッシーニの打ち上げは1997年。2004年に土星軌道に到達した後、13年間にわたり土星やその衛星の探査を行ったが、これは土星の約半年に当たる。カッシーニは土星の北半球が冬の終わりを迎える頃に土星に到着、夏を見たところでミッション終了となった。