ドリアンの強烈なにおい、研究者が遺伝子情報解明
(CNN) シンガポールの「国立がん研究センター」の研究者チームは12日までに、「果物の王様」とも称されるドリアンの強烈なにおいに関係する遺伝子情報を解明したとの声明を発表した。
各種の「ムサンキング・ドリアン」にある、人間のほぼ倍の水準という約4万6000の遺伝子を調べた。その変化の過程を、チョコレートの材料となる植物のカカオ系に6500万年さかのぼったという。
この結果、がんの研究者チームはあの独特なにおいの元となる揮発性の硫黄化合物の発生を管理する一連の遺伝子を特定。この化合物の発生が強化され、ドリアンのにおいは硫黄性とする多くの人間の判断につながったとした。ただ、野生の環境では動物を引き寄せて口にさせ、結果的に種をまきちらすことになったとも推測した。
今回の研究成果を受け、将来的ににおいがせず、地下鉄やホテル内などへも持ち込める様々なドリアンの開発も期待出来るとしている。また、他の種類のドリアンにも適用出来る可能性があり、生物の多様性の環境喪失の中で生育が脅かされているドリアンの保存も考えられるとした。
同センターの幹部は今回の研究の動機について、「遺伝学者として、ドリアンの遺伝子に当然好奇心を抱く。どの遺伝子があの刺激の強いにおいをもたらすのか?」などと説明した。