宇宙滞在で遺伝子が変化、一卵性双生児と一致せず NASA
老化の程度を表す染色体末端部位のテロメアにも変化が見られた。宇宙滞在中はテロメアの長さの平均値が大幅に伸びたが、地球に戻ると約48時間以内に、出発前に近い値に戻って落ち着いた。
そうしたテロメアの変化やDNAの損傷と修復は、放射線とカロリー制限によって引き起こされたと研究チームは推定する。
ほかにもスコット氏のコラーゲンや血液凝固、骨形成にも、体液移動や無重力の影響と思われる変化が起きていた。免疫が異常に活性化する現象も確認され、極端な環境の変化によるものと研究チームは推定している。
NASAが計画している火星の有人探査は3年間のミッションになる。ケリー氏が経験した1年間の宇宙滞在は、この計画に向けた科学的な足掛かりとなる。