英外相、ニセ電話に欺かれ18分会話 アルメニア首相装う
(CNN) 英国のジョンソン外相が新たに就任したアルメニアのニコル・パシニャン首相を名乗る人物からのいたずら電話にまんまと引っ掛かり、18分間にわたりロシアとの関係、シリア情勢やイラン核合意からの米国離脱などの問題で「意見交換」する不手際があり、事態を重く見た英国政府は調査を開始した。
電話を掛けてきたのは男1人で、ジョンソン外相はロシアのプーチン大統領との付き合いの在り方では助言も提供していた。
英政府は今回の電話について、「ボバン」「レクサス」として知られるロシアの2人組の仕業と見ている。2人はその後、ジョンソン外相とのやりとりの音声も公開した。
「ボバン」らは過去に政治家を装って英歌手エルトン・ジョンさんやリック・ペリー米エネルギー長官らにニセ電話をかけたこともある。
2人はロシアの大統領府もしくは情報機関との関係を否定。ただ、これまでの電話の標的はロシアと実際に対立するかあるいは敵対的な国家の人物となっている。
同外相と電話の男は、ロシア情報機関の元大佐と娘が英国内で毒殺未遂に遭った事件にも言及。男がプーチン大統領は事件で使った神経剤「ノビチョク」を自ら偽るパシニャン首相に使うことは決してないだろうとした冗談を外相が笑う一幕もあった。
外相は事件の背後にはロシア政府がいることを100%確信するとも指摘していた。
今回の電話は、男が新種の毒物に触れ、ジョンソン外相も試すべきだと発言し、外相がいたずら電話と気付いた後、直ぐに切断されていた。英外務省は声明で、電話を調べたところニセ電話と即座に判明したと述べた。