中国、極超音速飛翔体の実験に成功と発表 最高マッハ6
(CNN) 中国の国有企業、中国航天科技集団公司の研究機関は8日までに、同国初の極超音速飛翔(ひしょう)体の飛行実験に成功したと発表した。航空宇宙技術の分野における大きな進展であり、米軍への圧力が増す可能性もある。
飛行実験に成功したのは「星空2」という名称の飛翔体。実験は北京に拠点を置く同企業の傘下組織、中国航天空気動力技術研究院(CAAA)が3日に実施した。
極超音速の飛翔体は音速の5倍以上で飛行する。CAAAの発表によれば、星空2の最高速度は音速の6倍のマッハ6に達するという。
CAAAは実験について「完璧な成功」だったと主張。「星空2の飛行実験プロジェクトは非常に革新的かつ技術的に難易度の高いもので、最新の国際技術課題の数々に直面した」と述べた。
新技術の用途については明かさず、引き続き中国の航空宇宙産業に貢献していきたいと述べるにとどめた。
世界各国の軍隊はかねて極超音速兵器の開発を急いできた。米空軍は2015年、極超音速兵器を23年までに開発するとの目標を発表。またロシアは今年、同国初の極超音速ミサイルの実験に成功したと主張し、7月には一連の兵器の動画も公開している。
極超音速ミサイルは発射後に宇宙空間に到達するが、その後は降下し、航空機と似た経路を高速で飛行する。軌道が低いため防衛衛星やレーダーによる探知は難しい。
民生分野でも、米航空機製造大手ボーイングが、米ニューヨークと英ロンドンを2時間で結ぶ極超音速旅客機の構想を進めている。