ロシアのソユーズ、打ち上げ失敗 宇宙飛行士2人は脱出して無事
(CNN) カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から11日に打ち上げられたロシアの宇宙船「ソユーズ」でブースターに不具合が発生し、米国とロシアの宇宙飛行士2人が脱出した。
2人が乗ったカプセルは、パラシュートで降下してカザフスタンに緊急着陸。捜索救助隊が現場へ急行して2人を無事救出した。
米航空宇宙局(NASA)とロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスは、原因究明に向けて徹底調査を行うと表明した。しかし今回のトラブルは、宇宙分野で長年の協力関係にあった米ロ間で緊張が高まっている現実を浮き彫りにした。
ソユーズに搭乗していたのはNASAのニック・ヘイグ宇宙飛行士とロシアのアレクセイ・オフチニン宇宙飛行士。国際宇宙ステーション(ISS)に半年間滞在する予定だった。NASAは現在、有人宇宙飛行のISS送迎をロシアに依存する状況が続いている。
ソユーズは打ち上げから数分後にロケットブースターで異常が発生。オフチニン宇宙飛行士の判断で、2人が乗ったカプセルをロケットから切り離した。パラシュートが開いてカプセルが砂埃を上げながら着地する映像も公開されている。
NASAによると、2人はその日のうちにヘリコプターでバイコヌールに到着し、モスクワへ戻る準備をしているという。
ロスコスモスは、2人がカザフスタンで健康診断を受けている画像を、NASAはバイコヌールで家族と抱き合う写真をそれぞれ公開した。