運動不足、喫煙・糖尿・心疾患よりも高リスク 米研究
ジョージア州アトランタ(CNN) いつも座ってばかりいる生活は、喫煙よりも、糖尿病や心臓病よりも健康に悪い――。米クリーブランドクリニックの研究チームがそんな研究結果を発表した。
同クリニックのウェル・ジェイバー医師はこの結果について、「運動不足は高血圧や糖尿病や喫煙と同じような強いリスク要因としてとらえる必要がある」と話している。研究結果は19日のJAMAネットワークオープンに掲載された。
クリーブランドクリニックでは1991年1月~2014年12月にかけ、患者12万2007人にランニングマシンで運動してもらう実験を実施。今回の研究ではこの運動の実績をもとに、さまざまな疾患による死亡と運動との関係を調べた。最も運動実績が低いグループは被験者の12%を占めていた。
この調査の結果、ランニングマシンの成績があまり良くなかった患者は、腎不全で透析を受けている患者に比べ、死亡リスクがほぼ2倍に上ることが判明。運動量が少ない人は、運動成績が最も良かった人に比べて、死亡関連リスクが6倍に達していた。
運動不足のリスクは喫煙などのリスクを大幅に上回ることも分かった。
さらに、運動は長寿につながり、有酸素運動には際限ないメリットがあることも判明。過剰な運動が死亡リスクを高める可能性についても調べたが、「どれほどの運動を行っても危険にさらされることはない」とジェイバー氏は説明し、「今回の研究では、ウルトラ級の運動をしていても、死亡率は低下することが分かった」としている。
運動の恩恵は、男女を問わず、全年齢層に及んでいたといい「40代でも80代でも同じ恩恵がある」とジェイバー氏。あまり動かない生活を送っている患者に対しては、「かかりつけ医から運動の処方箋をもらった方がいい」とアドバイスしている。