サンゴ礁発育、さらに悪化と予想 豪グレートバリアリーフ
(CNN) オーストラリア政府は7日までに、同国北東部沖に広がるグレートバリアリーフのサンゴ礁の発育状況などについて触れ、これまでの「貧弱」から「極めて貧弱」と評価をさらに後退させる判断を正式に示した。
グレートバリアリーフの海洋生態系の展望に関して5年ごとに公表する報告書の最新版の中で表明した。グレートバリアリーフは世界最大のサンゴ礁地帯ともいわれる。
発育状況の悪化については、記録的な海面温度の上昇による重大かつ大規模な影響が原因とした。長期的に見た場合、気候変動の影響がサンゴ礁に最も重大な脅威を及ぼしているとも警告した。
グレートバリアリーフ海洋公園局によるこの種の報告書は2009年、14年に次いで3回目。ただ、今回が最も厳しい認識を示しており、今こそ長期的見通しを改善させる機会とし、サンゴ礁を救うためには気候変動の緩和が必要と強調した。
ただ、待ち構える試練は大きいが時期的にサンゴ礁救済が間に合わないというわけでもないとも指摘。全てのサンゴ礁地帯が等しく影響を受けているわけではなく、一部は白化現象や他の脅威から逃れ、良好な状態にあるとも述べた。
グレートバリアリーフは自然の景観などで世界の7不思議の1つともされ、1000種を超える魚類、数百種の海洋動物の宝庫ともなっている。
多数の観光客を集めており、オーストラリア経済への貢献は毎年64億米ドル(約6848億円)相当ともされる。グレートバリアリーフ基金によると、観光産業などでの雇用人口は6万4000人となっている。