世界最小?、電子顕微鏡レベルの「お菓子の家」 カナダの研究者が制作

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髪の毛の太さの10分の1ほどしかないというミクロ世界の「お菓子の家」/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University

髪の毛の太さの10分の1ほどしかないというミクロ世界の「お菓子の家」/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University

(CNN) カナダの研究者がこのほど、電子顕微鏡の技術を駆使して世界一小さいとみられるクリスマスの飾りを制作した。クッキーでできた家を模した「ジンジャーブレッドハウス」と呼ばれる定番の飾りつけで、その大きさは人間の髪の毛の直径の10分の1ほどしかない。

極小のジンジャーブレッドハウスを制作したのはカナダ・オンタリオにあるマクマスター大学の研究員、トラビス・カサグランデさん。イオンビームでシリコンから壁4枚と屋根1枚を切り出し、家の形状になるように組み合わせた。

壁面はドアや窓をつけて精巧な装飾も施し、屋根には大学のロゴなどを書き込む念の入れよう。完成したジンジャーブレッドハウスは、店頭に並ぶ平均的なものの2万分の1の大きさだという。

雪だるまの頭上に載ったジンジャーブレッドハウス/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University
雪だるまの頭上に載ったジンジャーブレッドハウス/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University

公開された画像では、このジンジャーブレッドハウスが3段重ねの雪だるまの頭上に載っている。この雪だるまもマフラーを首に巻いてウインクするなど、制作にあたっての芸が細かさが伝わってくる。比較のため隣に並べられた人間の髪の毛は直径が雪だるまの高さと同じくらいで、さながら雪原に横たわる巨大な丸太といった風情だ。

丸太のように太い髪の毛との比較画像/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University
丸太のように太い髪の毛との比較画像/Travis Casagrande/Canadian Centre for Electron Microscopy at McMaster University

CNNの取材に答えたカサグランデさんは、今回の作品が人々の「科学的な好奇心」を刺激し、電子顕微鏡の技術に思いをはせるきっかけになればいいと語った。

カサグランデさんは2017年にも、1セント硬貨に刻まれた1文字の上に穴をあけ、その中に極小のカナダ国旗を埋め込む作品を制作している。カナダの建国150年を記念したこの国旗の長さは10マイクロメートル(0.01ミリメートル)だった。

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