新型コロナをめぐる誤情報が拡散、専門家は否定
4.鼻水が出ればただの風邪なのか
メモによると、新型コロナウイルスによる肺炎は乾いたせきが特徴で鼻水は出ない。だから鼻水やたんが出るなら、それは普通の風邪だという。
これに対してアトマー博士は、乾いたせきが出る感染者は確かに多いとしたうえで、たんの出る湿ったせきをする症例もみられると強調した。
5.新型ウイルスに感染したら肺炎になるのか
メモによれば、ウイルスはのどに入って、まず3~4日間のどの痛みを引き起こす。その後鼻汁に混じって気管から肺に侵入し、肺炎を起こすとされる。
アトマー博士はこの説明について、「必ずしも正確とはいえない」と述べた。症状の経過は患者によって違うし、のどが痛くならない患者もいるからだ。のどの痛みがあれば必ず感染しているというわけではなく、感染した患者が全員肺炎になるわけでもない。
6.新型ウイルスの感染者はおぼれる感覚を訴えるのか
メモには、新型ウイルスに感染した場合の鼻づまりは通常と違い、おぼれるような感覚だと書いてある。
だが博士によると、この症状はどんな呼吸器ウイルスにも当てはまらず、新型ウイルス感染で鼻づまりがない患者も多いという。
7.入院する時には手遅れなのか
「熱やせきで病院へ行く頃には肺の50%が線維化していてすでに手遅れ」――メモにはそう書かれている。
博士はこれについても「完全な間違い」「極めて人騒がせな情報だ」と指摘。肺の線維化がみられる例はほんの一部で、患者の8割は軽い症状で済むと強調した。