日々のお風呂、リラックスだけでなく心疾患のリスク低減か
(CNN) 1日の終わりに入浴することはリラックス以上の効果があるかもしれない。学会誌でこのほど、入浴が心疾患のリスクを低減する可能性があるとの報告が発表された。入浴についてはこれまでも睡眠の質を高める可能性などが指摘されていた。
今回発表された研究によれば、毎日温かい風呂に入ると心疾患のリスクが28%低減するほか、脳卒中のリスクが26%低減する。入浴で血圧が下がることが影響している可能性があるという。
今回の研究は日本の成人6万1000人を20年にわたって調査した。対象は、心疾患の病歴のない40歳から59歳で、期間は1990年から2009年まで。入浴の頻度に従ってグループに分けた。頻度はそれぞれ「1週間あたり1回未満」「同1~2回」「ほぼ毎日」「毎日」。
研究ではそのほか、体重や喫煙歴、運動の頻度、アルコール摂取、教育、睡眠時間といった影響を及ぼしそうな要素についての情報も集めた。
最終的な研究対象者は3万人超で、2097人が循環器系の疾患にかかった。このうち心臓発作が275人、突然心臓死が53人、脳卒中が1769人だった。研究によれば、より多く入浴すれば、疾患のリスクも低減したという。
お湯の温度も重要だった。ぬるいお湯だとリスクは26%低く、熱いお湯だと35%低くなった。
研究では、血行動態機能の向上が循環器系の疾患に対する予防効果につながるとの見方を示している。専門家によれば、血行動態機能が良好だということは、血圧が低いか通常の値で、心臓が効率よく血液を送り出して全身に血液がめぐる状態を意味するという。血行動態機能が悪いというのは、血圧が極端に高かったり低かったりして、心臓がより激しく働かなくてはならない状態だという。