森林火災でやけどを負ったコアラ、再び野生に 豪州
(CNN) 2019年にオーストラリアを襲った大規模な山火事でやけどを負い、ニューサウスウェールズ州のコアラ病院で手当てを受けていたコアラたちを、野生に戻す取り組みが始まった。
同病院のコアラの中で最も有名になったのは、メスの「アンウェン」。全身の90%にやけどを負った痛ましい写真がSNSなどで広まった。
アンウェンは昨年10月、同州ポートマッコーリーのコアラ病院に入院した。同病院で3番目の患者だった。
今回、アンウェンは仲間の数匹とともに、同州南東部のタスマン海に面したイネス湖自然保護区に放される。
木に登るコアラのアンウェン/Courtesy Port Macquarie Koala Hospital
同病院はアンウェンを含む26匹を、1週間かけて野生に戻す計画。バランスの取れたコミュニティーを形成して、自然の中で繁殖できるよう、さまざまな年齢や性別のコアラを組み合わせながら放すことにしている。
イネス湖自然保護区も森林火災で大きな被害が出たが、予想を上回る降雨があったことから、予定より早くコアラを放すことができた。
オーストラリア観光局は、「私たちは誰もが困難で不確実な時代に直面しているが、この素晴らしい希望の物語は、動植物と人の目覚ましい回復力を思い起こさせてくれる」とコメントしている。
オーストラリアは自然災害に続いて新型コロナウイルスの打撃を受け、観光客も途絶えた。それでも自宅から支援できる手段はある。コアラ病院は、オンラインでコアラの里親になれるプログラムを展開。オーストラリア観光局も、仮想ツアーなどが楽しめる観光案内サイトを開設している。