ステロイド薬に新型コロナの死亡リスク低下させる効果 英国で治験
デキサメタゾンは1日に6ミリグラムずつ、最大で10日間、注射または経口で投与した。デキサメタゾンを投与された患者に今のところ重大な副作用は確認されていない。
デキサメタゾンは一般的に、関節炎や重度のアレルギー、ぜんそく、特定のがんなどの治療薬として使われる。胃の不調や頭痛、めまい、不眠、うつなどの副作用が出ることもある。価格は低いもので約8ドル(約860円)。米国では既に、一部の患者の治療に使われている。
研究チームは今回の結果を受け、英国で人工呼吸や酸素吸入を必要とする新型コロナウイルス感染症患者については、これを標準的な治療法とすべきだとの見解を示した。ただ、リカバリー・トライアルは引き続き他の治療法についても研究を続ける意向。
英政府の科学顧問、パトリック・バランス氏は、リカバリー・トライアルのニュースリリースの中で、「デキサメタゾンが新型コロナウイルスの死亡率を低下させることのできる最初の薬であることが、今回の臨床試験で示された。安価で広く流通している医薬品であることから、特に期待が大きい」とコメントしている。