ホッキョクグマ、2100年までに絶滅の危機
(CNN) 人類が温室効果ガスの削減に失敗した場合、ホッキョクグマの大多数が2100年以降の生存で困難を強いられる可能性があることがわかった。科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに研究結果が発表された。
ここ数年、やせこけたホッキョクグマが食べ物を探している画像が流布し、ホッキョクグマは気候変動の影響を示す代表例となっている。
今回の研究によれば、一部の個体群はすでに生存が困難となるしきい値を超えている可能性が高い。しかし、一部の個体群については救出の可能性も残されているという。
一部地域ではホッキョクグマの数は大きく減少する可能性が高いものの、今後数十年、温室効果ガスを適度に削減することで北極圏の何カ所かでは引き続き生存できる可能性があるという。
専門家によれば、ホッキョクグマはアザラシなどの捕獲に氷を必要としている。これは、ホッキョクグマは開けた水域ではアザラシなどを捕獲できるほど上手に泳ぐことができないためだ。
ホッキョクグマは海面の氷が最も広がる冬にアザラシなどを食べて夏を乗り切るための体力を蓄える。夏には氷がとけて、ホッキョクグマは陸に上がることを余儀なくされる。
しかし、ここ数十年にわたって海氷は減少しており、北極圏の一部の個体群はより長期間、食料がない状況を強いられるようになっている。