豪森林火災、犠牲となった動物は約30億匹 死んだり住む場所失う
(CNN) オーストラリアで発生した大規模な森林火災で、死んだり住む場所を失ったりした動物の数は約30億匹と当初の試算の約3倍となったことがわかった。世界自然保護基金(WWF)が委託した報告書が28日公表された。
報告書の試算によれば、火災の犠牲となったのは哺乳類が1億4300万匹、爬虫(はちゅう)類が24億6000匹、鳥類が1億8000万匹など。
爬虫類の犠牲が大きいのは哺乳類や鳥類と比べて1ヘクタールあたりの生息数が多いため。
WWFオーストラリアの幹部は、今回発表された結果について暫定のものながら衝撃を受けたとし、これほど多くの動物が死んだり住む場所を失ったりした出来事が世界のどこか別の場所で起きたことがあったか思いつくことは難しいと指摘。「近代史の中で起きた野生生物に対する最悪の災害のひとつに数えられる」と述べた。
首都キャンベラでの森林火災の近くにいた馬=2月1日/Brook Mitchell/Getty Images
報告書によれば、オーストラリア全体では1万5000件以上の火災が発生し、最悪のシーズンとなったという。
研究者たちは報告書の最終的な取りまとめをすすめている。しかし、犠牲となった動物が30億匹という数は変更されない可能性が高い。
WWFによれば、8月末にも最終的な報告書がまとめられる見通し。
以前の研究では、森林火災によってコアラが絶滅の危機にさらされているとの結論も出ていた。火災によって少なくとも5000匹のコアラが死んだとみられるとの報告書が発表されていた。