「戦う恐竜」博物館で展示へ トリケラトプスとTレックスが壮絶な戦い?
(CNN) 現在の米モンタナ州で、太古に恐竜同士の壮絶な戦いがあったのかもしれない。今からおよそ6700万年前に死んだトリケラトプスとティラノサウルス・レックス(Tレックス)が、同じ場所で並んで土に埋まった。両方とも、骨格に争ったような傷痕が残っていた。
ノースカロライナ自然科学博物館は17日、2頭の恐竜の骨格がほぼ完全な形で残った「戦う恐竜」の化石を2022年に展示して研究を行うと発表した。
トリケラトプスの化石は2006年にモンタナ州ジョーダンの近郊で、6550万年前の地層から見つかった。ティラノサウルスの化石も同じ場所で、トリケラトプスの化石とわずかに重なる形で発見された。2体とも地層から発掘されてプラスターで固定され、研究用に保管されていた。
若い個体だったとみられるティラノサウルスの骨格化石/Matt Zeher/North Carolina Museum of Natural Sciences
2体とも骨格がほぼ完全な形で残っていた。特にティラノサウルスは、骨格が100%完成された唯一の化石と考えられるという。いずれも全身の骨格が正しい配列でつながった状態で残る極めて希少な化石だった。
発掘前に行われた調査では、トリケラトプスの化石は首周りや腰の部分に皮膚の痕跡が残っていることが分かった。脊椎(せきつい)にはティラノサウルスの歯が食い込んでいた。
化石には皮膚の痕跡が残る箇所も/Matt Zeher/North Carolina Museum of Natural Sciences
一方、ティラノサウルスの化石はほとんどの歯が折れていて、指が折れ、頭蓋骨(ずがいこつ)には亀裂があった。研究チームは、この傷がトリケラトプスと争ってできたものなのか、死後に負った傷なのかを解明したい意向。
ティラノサウルスの足にも皮膚の痕跡があり、これは現代のエミューに驚くほど似ているという。
ティラノサウルスの頭骨には歯の折れた痕跡があるという/Matt Zeher/North Carolina Museum of Natural Sciences
博物館で2022年に展示する際は新しい研究棟を建設して化石を収納し、研究拠点としても利用する。一般公開は5年間を予定している。