最前線で働く人の子どもに無料で勉強教える 米大学生の取り組み広がる

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最前線で働く人たちの子どもに無料で勉強を教える取り組みを始めた大学生のブレット・モザースキーさん/Courtesy Brett Mozarsky

最前線で働く人たちの子どもに無料で勉強を教える取り組みを始めた大学生のブレット・モザースキーさん/Courtesy Brett Mozarsky

(CNN) 新型コロナウイルスが流行する中、命の危険を冒して働く最前線の人々に恩返しができたら――。そう考えた米国の大学生が最前線の人々の子どもに無料で勉強を教える取り組みを始め、広がりを見せている。

ペンシルベニア州ハバフォード大学の4年生、ブレット・モザースキーさんは、大学の授業がリモート学習に変わったときにまず孤独感を感じた。そして勉強や社会的なつながりといった学校で得られる大切なものにアクセスできない中、さらに自分に勉強を教えてくれる親もいない状況だったら子どもたちはきっと苦しむだろうと考えた。

状況を変えなければと思い、モザースキーさんは新型コロナの感染が全米に拡大し始めた昨年3月、「フリー・フォー・ザ・フロントライン・チューターズ」を立ち上げた。最前線で働く人々が自分の子どもにできない支援を代わりに提供しようという取り組みだ。

今、このプログラムには50人以上の家庭教師が登録する。その多くはハバフォード大学の大学生で、中には大学院生もいる。他の大学からの参加者もいて、登録を希望する申し込みはこの1週間だけでも45人を超えた。

学べる教科は現在、生物、化学、英語、数学、歴史、物理、スペイン語だが、これ以外の教科の希望も受け付けている。

この取り組みには「すばらしい反響が寄せられている」とモザースキーさん。勉強を教えてもらいたい家族とボランティアとして参加したい学生の両方から反応があり、全米の80人の学生とともに運営しているという。

モザースキーさんはコロナの流行が終わった後もこの取り組みを続けたいと語る。「残業をしなければならず子どもに十分な教育のサポートができない親はたくさんいる」と指摘。すべての子どもは学問で成功する機会を与えられるべきだとの考えを示した。

モザースキーさん自身は現在、大学で化学を学んでいる。卒業後の進路は米国立がん研究所の研究員を希望し、医学博士も取得したい考えだ。病気の人々を助けたいという思いと化学の研究を融合させて、苦しむ人の役に立ちたいという。

「最前線で働く人々は、コロナ禍でも我々が安全で健康に過ごせるように、多大な犠牲を払っている。自分はこうしたすばらしい人々やその家族に恩返しをしたいだけだ」

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