増えすぎた「麻薬王のカバ」、駆除の提案めぐり論議 コロンビア

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研究によると、エスコバルが輸入したカバは個体数が増え続け、危険な存在になっているという/Juancho Torres/Anadolu Agency/Getty Images

研究によると、エスコバルが輸入したカバは個体数が増え続け、危険な存在になっているという/Juancho Torres/Anadolu Agency/Getty Images

(CNN) 南米コロンビアでかつて「麻薬王」の悪名をはせたパブロ・エスコバル。1993年に殺害された後も、その影響は予想外の形で同国に残り続けている。

エスコバルはカバをコロンビアに輸入して、同国北西部アンティオキア県メデジン東部の農場内に設けた私設動物園で飼育していた。このカバが繁殖しすぎて環境への影響や人に与える危害が懸念される状況になっていることが、メキシコとコロンビアの大学が実施した実態調査で明らかになった。

カバは農場からマグダレーナ川の一帯にまで生息地を広げ、頭数は着実に増え続けているという。

研究チームは学会誌の1月号に発表した論文の中で、長期的な悪影響を防ぐためにカバの駆除を勧告した。

これに対して別の専門家は、動物保護や一部の住民が愛着を感じ始めていることを理由に、避妊去勢を通じた頭数管理を求めている。

エスコバルは1980年代初頭にカバを私設農場に持ちんだ/Raul Arboleda/AFP/Getty Images
エスコバルは1980年代初頭にカバを私設農場に持ちんだ/Raul Arboleda/AFP/Getty Images

カバはエスコバルが1980年代にオス1頭とメス3頭を輸入。エスコバルの死後、ほかの動物は別の場所に移されたが、カバは捕獲や輸送が難しかったことからそのまま残された。

カバはすぐに繁殖して周辺地域に広がった、駆除しようとした政府の取り組みは批判を浴びて中止になり、代わって避妊去勢キャンペーンが始まったが繁殖は止まらなかった。

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