スペースXの火星ロケット実験機、再び墜落し爆発
米テキサス州オースティン(CNN Business) 米スペースXは2日、火星への有人探査を目指して開発中の巨大ロケット「スターシップ」の無人実験機「SN9」を、テキサス州にある同社の実験場から打ち上げた。機体は数マイル上空まで飛行し、予定通り降下したが、発射台への着地に失敗し爆発、炎上した。
ロケットに搭載された3基のエンジンは上空でいったん切れた後、着陸に向けて再点火した。しかし発射台へと戻るところで爆発が起こり、ロケットは炎に包まれた。着陸が失敗した原因は現時点で明らかになっていない。
スペースXのエンジニア、ジョン・インスプラッカー氏は生配信のイベントで、試験飛行の大半は「非常にうまくいったようだ」と説明。ロケットは上空約10キロにまで到達したとし、収集したデータを基にスターシップのデザインを改良できる見通しだとの認識を示した。
そのうえで「着地に関していくらか作業が必要にある」と付け加えた。
当初SN9の試験飛行は先週実施される予定だったが、先月28日に米連邦航空局(FAA)が打ち上げ延期を勧告していた。前回の試験飛行の際にスペースXが公共の安全に関する連邦規制当局との取り決めを守らなかったというのが理由だった。
FAAは2日、スペースXが「修正措置」を講じ、現在は公共安全規約を順守していると結論したと発表。1日遅くの時点で改めて打ち上げの許可を出したと明らかにした。公共の安全に対する問題の中身やどのような修正措置が取られたのかは公表しなかった。
スペースXにこの件についてのコメントを求めたが返答はない。
前回の試験飛行は昨年12月に実施。このときも実験機「SN8」は着地に失敗し、爆発していた。
スペースXはすでに次の実験機「SN10」の組み立てを終えている。打ち上げの日時は明らかにしていないが、機体は先週末に発射台への移動を済ませた。発射台はSN9を打ち上げた台に隣接している。