新型コロナ感染者、3分の1に「脳疾患」の症状 英研究
今回の研究は、この種の調査としてはこれまでで最大規模。研究チームは主に米国内で新型コロナウイルスに感染した患者23万6000人あまりの電子カルテを調べ、同じ期間に呼吸器感染症に感染した患者の記録と比較した。
その結果、新型コロナウイルスに感染した患者はインフルエンザに感染した患者に比べ、神経疾患や精神疾患のリスクが44%高いことが判明。それ以外の呼吸器感染症に比べると16%高いことが分かった。
さらに、新型コロナウイルスに感染した患者はおよそ50人に1人の割合で、脳に血栓ができる虚血性脳梗塞(こうそく)を起こしていた。
一方、ウイルス感染との関係が指摘されることのある神経疾患のパーキンソン病とギランバレー症候群については、新型コロナウイルス感染後に発症者が増える形跡はみられなかったとしている。
この研究にかかわっていない英ノッティンガム大学のムサ・サミ准教授は、膨大な数の患者の記録を分析できたという点でこの調査は重要だと評価。「『脳疾患』としての新型コロナウイルス感染症については相当な不安があることから、これは非常に重要なトピックだ」と述べ、新型コロナウイルスが脳や神経に与える影響をさらに詳しく調べる必要があると指摘している。