「タイタニックを発見した男」、今も新たな冒険の途上

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バラードさんがアメリア・イアハートの捜索中に遠隔操作艇(ROV)を投入する様子/Jesse Goldberg/National Geographic Image Collection

バラードさんがアメリア・イアハートの捜索中に遠隔操作艇(ROV)を投入する様子/Jesse Goldberg/National Geographic Image Collection

アメリアを探して

バラードさんは2019年、1937年に消息を絶った米女性飛行士アメリア・イアハートと航法士フレッド・ヌーナンの謎を解くミッションを率いた。

イアハートの娘エミリーさんを含む調査チームは2週間をかけ、太平洋のニクマロロ島周辺で失踪機ロッキード・エレクトラの残骸を捜索した。ニクマロロ島はミクロネシアの国キリバスの一部を構成する無人島だ。

この時の捜索では同機の形跡は一切発見できなかったものの、バラードさんはまだ諦めておらず、タイタニックも初回の調査で見つかったわけではないと指摘する。

「米誌ナショナル・ジオグラフィックが来年再び(残骸の)捜索を行うスポンサーになってくれている」

「だから引き続き注目してほしい。イアハートはあそこにいる。過去にネス湖の怪獣を探したこともあるが、今回はそれとは違う」

次世代

バラードさんの船は「海底二万里」に登場するネモ船長にちなみ、「ノーチラス」と命名されている/Gabriel Scarlett/National Geographic Image Collection
バラードさんの船は「海底二万里」に登場するネモ船長にちなみ、「ノーチラス」と命名されている/Gabriel Scarlett/National Geographic Image Collection

バラードさんは78歳。これまで常に「次のドアが開く」チャンスをうかがってきたが、現在は次世代の探検家の育成にエネルギーを注いでいて、学校で定期的に海洋探査に関する講演を行っている。

「私は子どもたちが大好き」とバラードさんは説明。「今でも思い出すのは、タイタニックを発見して帰宅したところ、世界中の子どもたちから『次回の探検に付いていっていいですか』という手紙が1万6000通も届いたことだ」

10年あまり前には、自分自身の船を入手することを決めた。

バラードさんの全長64メートルの調査船は、「大きな夢」を持つきっかけを与えてくれた「海底二万里」のネモ船長の潜水艦にちなみ、ノーチラスと命名されている。

「人生に大きな違いを生み出すには、大きな夢を持たないといけない。私は夢を見続けるつもりだ。これからも発見に満ちた世界が待っている」

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