NASA、UFO解明に本腰 新長官が調査を強化
ニューヨーク(CNN Business) 米航空宇宙局(NASA)の新長官に就任したビル・ネルソン氏は3日、CNN Businessとのインタビューで、海軍パイロットによって目撃された未確認飛行物体(UFO)の正体が何なのかはNASA上層部にもはっきり分かっていないと述べ、就任から1カ月でさらなる調査の取り組みを進めていることを明らかにした。
また、ネルソン氏はUFOについて、地球外生命体が地球に来訪した証拠とは考えていないとしつつも、その可能性を排除するのは時期尚早との見方を示した。
ネルソン氏の発言には、今月公表される予定の国防総省の新報告書と共通する点がある。この調査の結果に詳しい情報筋5人によると、UFOが異星人の宇宙船であることを示す証拠は見つかっていないものの、謎の物体の正体について調査員が決定的な見解に達しているわけでもないという。
ネルソン氏は「地球外のものなのかは不明だ。敵なのか、光学現象なのかも分からない」とした上で、「海軍機のパイロットが証言した物体の特徴を踏まえると、光学現象とは考えられない」と説明。「つまり、ぜひ知りたいということだ」と述べ、調査に意欲を示した。
NASAの報道官によると、ネルソン氏はUFO調査を開始するための正式なタスクフォースは立ち上げていない。ただ、調査員に対し、適切と思われるあらゆる疑問を調べるよう指示したという。
UFOは米国内外で長年興味の対象になっていたが、米紙ニューヨーク・タイムズの2017年の報道で関心に拍車がかかった。同紙の報道では、米軍のパイロットが高速移動する楕円(だえん)の物体を何度も目撃したことや、この問題をめぐり政府が秘密調査を進めていたことに触れられていた。