7000万年前の北極圏、恐竜が出産か 子連れで冬も移動せず?
(CNN) 米アラスカ州北部にある地層「プリンスクリーク層」から、7000万年あまり前の北極圏で少なくとも7種の恐竜が子どもをもうけていたことを示す化石が見つかった。小さな赤ちゃんを連れた恐竜が1年中、北極圏に生息していた可能性もある。
研究論文を執筆したアラスカ大学北方博物館の責任者、パトリック・ドラッケンミラー氏は、巣や卵の殻は発見できなかったものの、恐竜の胚(はい)や生まれたばかりの赤ちゃんは見つかったと指摘。今回の発見で恐竜への知見が一層深まる可能性があると述べた。
「恐竜の卵の殻はすてきだが、どの恐竜が生んだのか正確には分からないことが多い」とドラッケンミラー氏。骨と歯があれば、動物の属や種の特定に活用できると語る。
同氏によると、小さな赤ちゃんが冬前に長い旅をできたとは考えにくいことから、恐竜が北極圏での出産後、暖かい地域に移動していた可能性は低い。
7000万年あまり前の当時、この地域の平均気温は5.6度で、冬は凍てつく寒さだった。こうした寒い時期、恐竜は丸4カ月にわたって完全な暗闇の中に閉ざされ、過酷な気候を生き延びるのは一段と難しくなっていたという。