レッサーパンダの赤ちゃん、「奇跡」の誕生 英動物園
(CNN) 英国の動物園で、絶滅危惧種に指定されたレッサーパンダの赤ちゃんが誕生した。この赤ちゃんの誕生は「奇跡」だったと動物園は発表している。
レッサーパンダの赤ちゃんは英ロンドン北郊にあるパラダイス・ワイルドライフ・パークで7月に誕生した。現在は「リトルレッド」と呼ばれており、大きくなるのを待って獣医師の健康診断を受けさせる。
レッサーパンダはヒマラヤ山脈東部や中国南西部に生息し、野生の個体数は世界で2500頭を切っている。絶滅の恐れがある野生生物を分類した国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種に指定。生息地の減少や、食用、医薬品、アパレル目的の乱獲によって個体数は減り続けている。
動物園の発表によると、赤ちゃんはメスの「ティリー」とオスの「ナムパン」の間に誕生したが、ナムパンは赤ちゃんが生まれる1カ月前に死んだ。動物園は国際繁殖計画に基づき繁殖を試みていたが、これまでの4年間、妊娠は成功していなかった。ところがナムパンが死んだ2週間後、ティリーが巣作りを始めたことに飼育係が気づいたという。
「この赤ちゃんは希望の象徴になった」と動物園はコメントしている。
リトルレッドが巣から出て来るまでにはあと数カ月かかる見通し。母親の様子は見ることができる。
世界自然保護基金(WWF)によると、レッサーパンダはジャイアントパンダよりもアライグマやイタチに近い。ただ、レッサーパンダもジャイアントパンダも竹や笹を主食とすることからパンダと呼ばれている。パンダの名は、ネパールの言葉で「竹や植物を食べる動物」を意味する「ポンヤ」が由来といわれる。