コウモリの巣になった建物明け渡し、消防署引っ越しへ 米ネバダ州
(CNN) 米ネバダ州の消防署の建物にコウモリが繁殖して使用できなくなっていた問題で、消防署がこの建物を明け渡し、別の場所へ引っ越すことになった。
コウモリの巣となっていたのは、同州トラッキーメドウズ消防区の30番消防署。8月の時点で「署員の健康と安全上のリスク」を理由に無期限の閉鎖を発表していた。1950年代にさかのぼる建物内では、署員の居住区画をコウモリが飛び回り、消防車庫でコウモリの死骸が見つかっていた。2015年にも対応を試みたが、コウモリが戻って来ただけだった。
チャールズ・ムーア消防局長は6日、この消防署の移転は19年から計画していたと説明。移転先は6.4キロほど離れた場所で、新しい消防署の設計に当たる建築士と契約を済ませたという。
「何年も前からコウモリやネズミに悩まされてきた。大規模な改修をしなければこの問題は解決できない。それよりも新しい場所にお金を使った方がいい」。ムーア氏はCNNにそう語り、「自分たちが所有していない建物の大掛かりな改修は望まない。いずれにしても、近いうちに明け渡す予定だ」と説明した。
建物は同消防区がネバダ州からリースしていたもので、既にリース契約の終了を通告し、引き渡しに備えて署の清掃を行っているという。
「生きたコウモリたちは冬に備えて旅立った。だが残念なことに、春になれば生まれた場所に戻ってくる」「環境にとっては有益な生き物だが、消防士たちが至近距離でさらされることは望まない」(ムーア局長)
コウモリは人に狂犬病を感染させる危険があり、米疾病対策センター(CDC)によれば、米国人の狂犬病による死亡の筆頭原因となっている。狂犬病は、かまれたり引っかかれたりして気づかないほどの傷を負っただけでも感染することがある。