火星の塵旋風の音、米NASA探査車が初めて収録
探査車から届いた画像などのデータでも、この現象が確認された。研究チームは探査車が収集した情報をつなぎ合わせ、塵旋風が高さ118メートル以上、幅25メートル以上あったことを突き止めた。これは探査車の約10倍に相当する。収録された音声では巨大な塵旋風に思えるが、火星では平均的な大きさだという。
塵が外側の壁の中だけでなく、塵旋風の内部にも堆積(たいせき)していたことは、研究者にとって予想外だった。これは、塵旋風がパーサビアランスの上空を通過した時点で、まだ形成される途中だったためと思われる。
塵旋風は火星の大気の乱れを表し、火星の塵の循環に重要な役割を果たしている。
火星の地表で塵が巻き上げられて移動する現象について解明が進めば、砂嵐の形成と発達について理解を深める手がかりとなる。
15年にわたって火星の地表を探査してきた「オポチュニティー」は18年、砂嵐のためにミッションを終了した。